Aqua VoiceのiOS版を公開しました
著者:Finnian Brown
5 分で読めます
Aqua VoiceのiOS版を公開しました。どこでも、声だけで文章を書き、編集できます。
主な特徴は次の三つです。
- 極めて短い待ち時間
- 新モデルAvalon 1.5
- 声による編集モード
iOS版Aquaは、精度、文脈の理解、速度を向上させた新しいモデル基盤を使っています。雑音にも強く、地下鉄など騒がしい場所でスマートフォンを使う際にも適しています。
極めて短い待ち時間
ユーザーが気に入ってくださっている出力品質を保ちながら、遅延を減らすためにシステムの各部分を調整しました。細部まで仕上げるため、社内では53台のテスト端末で音声処理を最適化し、ベータ版ではさらに数千台で検証しました。ご協力ありがとうございました。

開発にかけた時間に見合う仕上がりと品質を、使ったときに感じていただけたらうれしいです。
声で編集
iOS版には多くのご要望をいただいていましたが、どうすれば本当に快適になるのかを考えるのに時間がかかりました。
課題は、スマートフォンでの編集の難しさです。テキストの選択も、カーソルの移動も、文字の入力も、簡単とは言えません。
一方、声だけで本当に使いたい文章に仕上げるには、編集が必要になることがあります。思いつくまま長く話すのはボットへの入力には向いていても、Slackやメールでは、余分な部分を省き、明確になるまで文章を整えたいものです。
そこで、こうしました。

編集モードでは、直前の音声入力や現在の選択範囲を声で編集できます。例えば、次のように伝えられます。
- 「これはSlackのメッセージなので、言いよどみを消して」
- 「日本語に翻訳して」
- 「タイトルケースにして」「小文字にして」
- 「イギリス英語のつづりにして」
- 「ToniはT、O、N、Iとつづって」
- 「数字は$10mの形式にして」
- 「段落を増やして」
- 「But whateverを消して」
- 「一文にまとめて」
間違いの修正、書式の調整、考えを最小限の文章にまとめる作業に使えます。結果が少し違うときは、もう一度編集して意図に近づけられます。うまくいかなければ、「元に戻す」をタップできます。
自分だけの、声で使える作業場
スマートフォンのAquaで、驚くほど多くの仕事ができます。
先週の日曜日、私はゴールデン・ゲート・パークを歩きながら、読んでいる本について5,000語以上を書きました。
思いつきをただ並べたものではありません。音声としてはそうだったかもしれませんが、数文ごとに編集モードで考えを圧縮し、密度を保っていました。リストを作り、複雑な情報を整理し、後から自分でも読みたい文章へと何度も整えられました。
本当に「こんなこともできるのか」と感じたのは、その夜です。iPhoneのJump Desktopから、Mac Miniで動くOpenClawを操作していました。修正のためターミナルコマンドを入力する必要があり、声で入力しました。ほぼ合っていましたが、書式が少し違いました。編集ボタンを押して修正内容を伝えると、正しく変更されました。
iOSのAquaキーボードからJump Desktopを経由し、macOSのターミナルまで。キーボードに触れずにテキストを編集してコマンドを実行できたのです。そのとき、これこそ入力のあるべき形だと感じました。
カスタマイズ
デスクトップ版Aquaで設定済みなら、プロフィール設定、カスタム辞書、カスタム指示、置換が自動で引き継がれます。iPhoneで追加した内容もデスクトップへ同期されます。

iOSでAquaを使う体験を、ぜひ皆さんにも試していただきたいです。
Avalon 1.5
最新モデルAvalon 1.5は、Avalon v1から大きく進化しました。最先端の音声入力性能に加え、新たに多言語へ対応しています。
業界標準のOpenASR Leaderboardでは、平均WERがAvalon 1の6.24から5.55へ改善しました。
品質は単語誤り率だけでは測れません。ブラインド比較では、高性能なクラウドモデルElevenLabs Scribe V2に対して76%の比較で選ばれ、速度も2倍以上です。音声入力の用途に特化した学習が、こうした改善につながりました。話し手の意図をよりよく認識し、入力先に合わせて文章を整えながら、背景雑音を除き、専門用語や業界用語も正確に捉えます。
専門用語と一般的な音声入力タスクを評価するため、AIエージェントとの典型的なやり取りを集めたAISpeakを作成しました。Avalon 1.5は、この評価で特に強みを発揮します。辞書を設定しなくても、AI関連の語彙をより正確に認識します。

Avalon 1.5は、初めてネイティブに多言語対応した当社のモデルでもあり、複数の言語で最先端の結果を示しています。特に、日常会話を扱う大規模な標準ベンチマークReazonSpeechと、AIエージェント向けの音声入力を測る日本語AISpeakの両方で、精度が大きく向上しました。


実際の音声入力事例で学習したことで、日常会話への対応だけでなく、身近なマイクや環境での耐性も高まりました。AMI Distant-Micは、離れたマイク、重なり合う発話、雑音を含む難しいデータセットです。今のオフィスに近い条件ですが、Avalon 1.5はここでも最先端の性能を示しています。

AquaとOpenClaw
少し話を戻します。私はテクノロジーと優れた製品が好きです。初めて使ったときに「これが未来だ」と思った製品を四つ覚えています。
- iPod Nano(2005年)
- iPhone(2008年)
- Tesla Model Y(2021年)
- ChatGPT(2022年)
どれも優れた製品ですが、それ以上に、次の5年間がどんな形になるかを示していました。使っていて、それを感じられたのです。
OpenClawにも、同じくらいの良さを感じます。
ただ、Telegram経由でOpenClawを使っていると、何度もこう思いました。「どうして、これを全部手で打っているんだろう?」
標準の音声入力でボットに話しかけようとしたこともありました。予想通り、うまくいきませんでした。誤りが多すぎて、入力を捨てるしかありませんでした。その翌日、iOSアプリの開発を始めました。今ダウンロードできるアプリには、何百時間もの開発とテストが詰まっています。
優れた音声入力と、生活に関わる情報を読み書きできるエージェント。この組み合わせは、とても力強い体験です。
AquaとOpenClaw。理想の組み合わせです。
この記事は、iPhone版Aquaを使ってGoogleドキュメントで書きました。